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スラヴ叙事詩を東京で

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ずいぶん前から、来る来ると言っていてなかなか来なかった「スラヴ叙事詩」だが、ようやくやってきた。
10年ほど前に見て大感激し、もう一度見たいとずっと思っていた。

国立新美術館の「ミュシャ展」は、やはり混雑していた。
だが、作品が巨大なので人の頭で見えないということはない。
ひどい展示方法だったらどうしようと思ったが、きちんと展示してくれている。ふだんプラハのヴェレトゥルジュニー宮殿に展示されているが、一昨年「スラヴ叙事詩」の展示室の壁が崩れて、一時閉鎖された。幸いにも、作品にキズはつかなかったのだが、不届き千万である。

私は、以前モラフスキー・クルムロフ城で「スラヴ叙事詩」を見た。プラハに移される前は、モラビアのこのボロボロの城にあったのだ。交通の便が悪い田舎にあるためか、「スラヴ叙事詩」の展示室は私ひとりで貸切状態。今思うと、なんて贅沢な時間だったのだろうと思う。
ミュシャの生家があるイヴァンチッツェという村も近くあって、ここに小さなミュシャのミュージアムがある。この村は「スラヴ叙事詩」にも描かれている。

ミュシャはカラフルなポスターで有名だが、本当に描きたかったものは「スラヴ叙事詩」のような作品だったらしい。虐げられた民族、スラブ民族の誇りを歌い上げる作品だ。
「スラヴ叙事詩」は、プラハからピルゼン方面へ向かう途中にあるズビロフ城で描かれた。
城のテラスから見える風景が、「スラヴ叙事詩」に描かれているという。
今回、あらためて「スラヴ叙事詩」を見て、建物内部を描いたものは別とし、ズビロフの風景だということを確信した。
ズビロフ城には、珍しいミュシャのフレスコ画が残っていて、それもフリーメーソンの一員としての自画像。

「スラヴ叙事詩」は、チェコをはじめ、スラブ圏の歴史を知らないとよくわからないかもしれない。
だが、絵の迫力は伝わるので、これをきっかけにスラブ圏のファンが増えてくれるといいと思う。


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