幽玄の世界は若干眠かった
銀座にオープンした商業施設、GINZA SIXの中に観世流の能楽堂がある。
一度は見ておきたいと先日行ってきた。
私の大学院のときの恩師のひとりの研究テーマが泉鏡花で、私の専門は古典ではあったものの授業はとっていた。ゼミ形式で、なかなかキツイ授業だった。泉鏡花は、能楽師の家系につながっていて、その作品は能を知らなければ理解できないところがあった。だから、私にとって能は、ちょっとキツイ。
だが、新品の能楽堂の誘惑には勝てず、銀座までいそいそ出かけた。
立派な舞台が、日があたらない地下にあるというのも変な気がしないでもないが、泉鏡花の描く「魔界」を思い浮かべたら、地下こそがふさわしいような気もする。幽玄の世界だ。
ところで、実際の能は、若干眠りを誘うものであった。
観客は、暑いのに着物を着ているようなマダムや、意識が高そうな人生の先輩方。だが、先輩方も、ウトウトしていらっしゃるし、上能中にもかかわらず、ときどきボソッと感想を声を出してお述べになったり、なかなか自由な雰囲気ではあった。
それでもやはり、所作のひとつひとつが美しく、どこを切り取っても絵になる。ときどき、ウトウトしながら舞台を見ると美しい。贅沢な時間だった。
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2017-07-26 23:37
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